2018/12/22
ターキーを丸焼きするぜ!Part2~焼き入れ編~
ブライン液に一晩漬けた後
さて、前回ターキーを焼くためにブライン液につける過程を書きました。
クリスマスまであと3日と迫り、早くその先を知らせろと思った方もいるかもしれません(←思い上がり)。
20日にアイルランド人7名の団体様に無事ターキーを提供できてほっと一息ついたところです。
彼らは毎年毎年オハラでクリスマスターキーを食べるのが習慣になっていて、どのくらいたったのかしら?と話していたら、「俺が日本に来たのが2008年だからぁ、かれこれ10年か!ほぼ毎年参加してるよ」。
10年!
この10年の間に移転もあったりしたけど変わらず伝統としてターキーを食べてくれるんです。
10年の間に、彼らも結婚したり、子供が生まれたり。今年も、一回アイルランドに帰ったけどつまらないと日本に帰って来たジョンが、「結婚して来年3月に子供が産まれるんだ」なんて嬉しい報告を聞いたり。
こういう風に、お店という媒体を通して長年かけてお互いを知って、お互いの身に起きたことを自分に起きたことの様に共に喜んだり悲しんだりする関係性を築いていくことが、私がお店をやっている目的だったんだなあと年末にしみじみ感じます。
お客様というくくりなのか友達というくくりなのか。
以前、仲良くなったオランダ人のクリスを他の人に紹介するときに「オハラのお客さん」と紹介して、「お~、お~、俺はしょせんお客さんだよ。友達だと思ってたのに。」と言われたことがあった。
この辺まで来ると、お互いの存在がそれぞれの生活の懐にまで入り込むようになってきて、「いち飲食店」「いちお客様」という存在価値でなくなってきて、第3者に説明するときにどう呼ぼうか適切な言葉に惑うようになる。
私は自分のお店が「いち飲食店」という垣根を越えて、多くの人に「いちお客様」ではなくて「大事な友人」になってもらいたいと思っている・・・
すみません、ターキーの話します。
さて、話がだいぶそれました。それすぎです。
本題!
さて、ブライン液から取り出したあと、胸肉であれ、ホールターキーであれ、一度よく水洗いをします。
そして、水気をよ~く拭き取ります。
拭いてる様子。
中に詰め物をするかしないかの議論がよくされてますが、私はスタッフィングしません。じつは。
これについては私のバイブルブログに記載があります。このブログがなければ私もターキー焼けなかった、神ブログ。筆者の方にお礼を言いたい。
もはやこのリンクを貼った時点でこのブログの意味をなさなくなるんでは?!
まあ、いいや。
代わりにオレンジやローズマリーを詰めます。
ココットの液体は溶かしバターとオリーブオイル、1:1
これをお尻の穴から詰めます。スタッフィングしてた時代は「えい!えい!」って言いながら詰めてましたけど、もう詰め物少ないのでするっと入ります。
そして、あんよを交差して縛り上げます。去年そのまま焼いたら焼きあがったときに腕が(手羽?)が小林幸子ばりに大きく広がってしまったので、脇も締めます。
次に、丸々ボデーに溶かしバターとオリーブオイルを1:1で混ぜたものを全体に塗り込みます。
わきの下や足もエステティシャンになった気分で塗り込みます。
さあ、準備は整いました!
オーブンの網の上にターキーを置いて行ってらっしゃい!!!
後光が差しています。
下にはコンソメ液をいれたバットを引いて、コンソメ液の蒸発した蒸気が七面鳥を蒸す効果、肉汁が下に落ちてグレービーになる効果を狙います。
今回は
220度で30分焼いた後、170度に落として2時間焼きました。
最近のターキーにはありがたいことに「ポップアップタイマー」なるものがあらかじめ刺さってて、完全に焼けたら赤いぽっちがポンと浮いてくるようになってるので、「焼けてんの?焼けてないの?温度計持ってないんだけど。」という悩みを一気に解消してくれます。
途中、バスティングといって、下に落ちたバットの中のコンソメ+肉汁を全体に回しかけて乾燥を防ぎます。と同時に焼き上がりはパリっとなります。
スポイトとかないのでスプーンで。45分に1回くらいかけました。
コンソメは煮詰まるし、ターキーにあんまり味がついてもいけないんで薄~く作ったほうがいいですよ。
ちなみに昨日カナダ人のお客さんが毎年ターキーを丸焼きにすると言っていて、ターキー丸焼き談議に花が咲いた。彼はバスティング用の巨大注射器を持っていて、液体を吸い上げては肉に直接刺して注入するらしい!!
当然のことながらやるたびに肉は汁を吸って膨れていくわけで、14ポンドの肉はどんどん大きくなっていくと言う。なんて贅沢な・・・。家に14ポンドのターキーを焼けるオーブンがある事もすごい。ギリギリサイズと言ってたけど。
さて!!!!
焼きあがりましたよ~~~~~!
見よ、このおいしそうな焼き加減!!!!テンションマックス!!
提供するときは紐をとって中に詰めたものもとってくださいね。
胸肉を焼く
さて、同時に胸肉を焼くパターンもご紹介。
ブラインした胸肉も、よく洗って水気をふき取ります。
中に乾燥させたクルトンとハーブ、グレービーで作ったスタッフィングを詰めて、巻き寿司のように巻いていきます。
そして、タコ糸で縛ります。
こちらにもしっかりとバター+オリーブオイルを塗りこみ…
ホールターキーと共に行ってらっしゃーい!
右が胸肉
これは焼き時間170度で40分くらいです。
困ったことにポップアップタイマーないので、途中鉄串をさして、しばらく置き、抜いて串を唇に当てて温度を見る、熱々だったら火傷するじゃないか!という方法で体を張って温度を確認します。
丸焼きにしろ、胸肉にしろ、焼き色が付きすぎたらアルミホイルをかぶせて焼くといいですよ。この時は丸焼きの腹にくっつかないように注意してくださいね~。
では、次回はサーブ編。
余談に体力を奪われた感は否めません。